2023年9月30日土曜日

聖書にあらわれる予型と解釈


 旧約聖書では多くの事象や人物が新約聖書の出来事やイエスの生涯と関連づけられて解釈されることがあります。これを予型といい、イエス教神学でよく用いられる解釈法のひとつです。以下にいくつかの事例を挙げます。

  1. アダム

    • 事例: アダムは人類の最初の人とされ、その失敗(原罪)は人類全体に影響を与えました。
    • 新約との関連: イエスは「最後のアダム」として言及され、アダムの失敗を克服し、人類を救済します。
  2. ノアの箱舟

    • 事例: ノアは神から洪水を逃れるために箱舟を建造するよう指示を受けました。
    • 新約との関連: 箱舟はイエスと教会の予型と見なされ、救済の手段として解釈されます。
  3. イサクの犠牲

    • 事例: アブラハムは神にイサクを犠牲に捧げるよう命じられましたが、最終的に神はそれを止めました。
    • 新約との関連: これはイエスの犠牲の予型と見なされており、神の子が人類の罪のために犠牲になることを予示しています。
  4. パスカの仔羊

    • 事例: イスラエル人はエジプトからの脱出時に神の命令でパスカの仔羊を犠牲にしました。
    • 新約との関連: これはイエスの犠牲の予型と見なされており、イエスは「神の仔羊」として言及され、人類の罪を取り除く者とされます。

判定基準

予型を判定する基準は以下の通りです。

  1. 予告的性質: 旧約聖書の事件や人物が新約聖書の事件やイエスの側面を事前に示唆しているかどうか。
  2. 神の主権: 事件や人物が神の計画の一部として神の意志を反映しているかどうか。
  3. 歴史的事実: 予型と見なされる事件や人物が歴史的事実として記録されているかどうか。
  4. 新約聖書の証言: 新約聖書がその事件や人物を明示的に、または暗示的に予型として引用または言及しているかどうか。

これらの基準を用いて聖書のテキストを解釈することで、予型的な解釈を行うことができます。この方法は神学的な背景を持つ人々や神学校で教育を受けた人々によって特に用いられます。